保険のコラム
「掛け捨ての医療保険・がん保険って支払いソンじゃないの?」
こんな疑問に、ファイナンシャル・プランナーの黒田尚子さんに教えていただきました。
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生命保険には、掛け捨て型と貯蓄型の2種類があります。
前者は、満期や中途解約などしても、支払った保険料が戻ってこない保険です。
保険料は、保障のみの費用となるため、保障金額を高く設定しても保険料は割安です。定期保険や収入保障保険、医療保険、がん保険などが代表的です。
後者は、保障機能と貯蓄機能が合わさった保険です。
保険料を運用して戻す部分が盛り込まれている分、保険料は高くなりますが、掛け捨てにはなりません。
終身保険や個人年金保険、学資保険などが代表的です。
両者を比較すると、おもに、掛け捨て型はリスクに備える保障を重視。貯蓄型はライフイベントに対する資金準備を重視しているとも言えます。
最近は、掛け捨て型が主流の医療保険やがん保険の分野でも、保険料が戻ってくるリターン型の保険商品が登場しています。
所定の年齢まで払い込んだ保険料のうち、使わなかった保険料が全額、健康還付給付金として戻ってくるものや、解約時に一定の解約返戻金が戻ってくるものなどさまざまです。
「病気やがんなどの備えは必要だけれども、健康に自信があって、保険料を掛け捨てにはしたくない!」という人にとっては、なんともありがたいと言えます。
たしかに、掛け捨ての医療保険やがん保険は、何らかの病気やケガ、がんにならなければ、支払いソンということになります。
リターン型であれば、保障が受けられる安心感と保険料が掛け捨てにならないおトク感が得られて、消費者にとって素晴らしい商品のような気がします。
でも、リターン型にもデメリットはあります。
・掛け捨て型と比べて保険料が高い
→保険料は2倍以上!そもそも、契約者から預かった保険料を長期運用し、得られた収益で経費や保険代理店への手数料に充当するしくみになっている
・解約時や死亡時の返戻金は少額。払い込んだ額の50%程度になることもある
→保険料の還付が受けられる年齢の前に解約等をしてしまえばソン!保険料がずっと継続して支払えるかの見極めも大切
・健康還付給付金など保険料の還付を受けた後の保険料は掛け捨て
→60歳や70歳など、給付金を受け取った後に解約すれば、掛け捨て部分はなくなるが、老後の医療保障もナシ。継続するか解約して、以降は預貯金でまかなうかの選択が必要
払い込んだ保険料に若干上乗せした額が戻ってくる商品などもありますが、要するに、リターン型の医療保険やがん保険は、保険料を保険会社に代わりに貯蓄しておいてもらうようなもの。
「手元にある貯蓄だとどうしても使ってしまう!」という人は活用するのもアリでしょう。
ただ個人的には、保険は保障と割り切って、掛け捨ての割安な保険料で、必要な金額と期間に備えるというのがセオリーではないかと思っています。
黒田 尚子さん
ファイナンシャル・プランナー
がんと暮らしを考える会・理事
CNJ認定乳がん体験者コーディネーター
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