保険のコラム
まずはこれだけ知っておこう!がん保険の基礎知識
●診断給付金(診断一時金)
病院で「がん」と診断されたときに、受け取ることが可能なのが診断給付金。診断給付金の金額は、50万円、100万円、200万円、300万円と幅広いタイプがあります。基本的には100万円~300万円の間が多く、50万円、100万円単位で設定できるものが主流です。
●入院給付金
がんと診断され、入院したときに支払われる給付金。「入院1日につき○○円」と給付日額が決まっているのが基本で、入院日数に合わせて給付金を受け取ることができます。5000円~2万円ほどの幅の中から5000円単位で選べる商品が一般的。
●通院給付金
がんと診断され、通院時に支払われる給付金。給付金額は「通院1日につき○○円」と給付日額が決まっているのが一般的で、通院日数に応じた給付が支給されます。こちらも5000円~2万円ほどの幅の中から5000円単位で選べる商品が多くあります。
●手術給付金
がんと診断され、所定の手術を受けたときに支払われる給付金。給付金額は、1回の手術につき決まった金額を受け取ることができる「固定給付型」と、手術の種類に応じて金額が変わる「変動給付型」に分かれます。
●先進医療給付金
がんの治療を目的として先進医療を受けたときに受け取ることができる給付金で、技術料をカバーしてくれます。一般的には通算で1000万円、もしくは2000万円の範囲内で実際にかかった技術料を実費保障してくれます。
●放射線治療給付金
放射線治療を受けたときに支払われる給付金。放射線治療を1回受けると10万円~30万円支給されるものが多いです。
●抗がん剤治療・ホルモン剤治療給付金
抗がん剤治療やホルモン剤治療などの化学療法を受けたときに支払われる給付金。抗がん剤治療やホルモン剤治療を受けた月ごとに、10万円~30万円支給されるものが多いです。
近年は、がんによって長期の入院をするケースは減ってきていると言われています。ですが、通院をしながら治療を継続する場合が多く、その際、治療は長期に渡ることも少なくありません。
がん保険の種類を解説
がん保険は各保険会社からさまざまな種類の商品が販売されています。そして、商品によって保障の内容が大きく異なるので、まずはどんな種類があるのか把握して自分にぴったりのものを選びましょう。
最初にご紹介したいのが、「診断給付金タイプ」と「入院給付金タイプ」。いまのがん保険は大きくわけてこのふたつのタイプが存在します。「診断給付金タイプ」は、がんと診断されたときにまとまった一時金を受け取ることができる、診断給付金をメインにしたもの。一方、がんで入院したときに入院日数に合わせて給付が受けられるのが、入院給付金をメインにした「入院給付金タイプ」です。
現在のがん治療は、入院による治療がメインでないことが多いので、がんの経済的なリスクに対応するならば、「診断給付金タイプ」がおすすめ。がん治療は日々進歩しており、入院したとしても日数が少ないことが多く、また適した治療法を予測することができないため、治療方法に関わらず、がんと診断されたときにまとまった一時金を受け取ることができる「診断給付金タイプ」が心強いでしょう。
定期型と終⾝型
そのほかの多くの保険と同様に、がん保険にも「定期型と「終身型」が存在します。「定期型」は、保障される期間が決まっており、保障期間が終了すると更新することで引き続き保障が継続されますが、更新の時点での年齢で保険料が再計算されます。ですので、同じ条件で更新したとしても、毎月の保険料の負担がアップするのが難点です。一方で「終身タイプ」は、加入してから一生涯、保障が得られます。保険料の負担は加入した時点から一定で、更新の必要がありません。ただし、20代や30代など、若年層が加入した場合、保険料が「定期型」よりも割高になります。
掛け捨てタイプと貯蓄タイプ
現在販売されているがん保険の多くが「掛け捨てタイプ」。途中で解約したり、保障期間が終了して満期を迎えたりしても、支払った保険料は戻ってくることはありません。「掛け捨てタイプ」に比べて圧倒的に商品数は少ないですが、途中で解約したり、一定期間が経過したりすると支払った保険料に応じてお金が戻ってくるのが「貯蓄タイプ」です。「貯蓄タイプ」は、一定期間保険金の請求がない場合に、お祝い金を受け取ることができるものも。
がん保険の選び⽅について
がん治療、現在も次々に新しい治療法が登場しています。そのため、現時点で最新の治療に対応したがん保険であったとしても、将来的に十分な保障とは言えないことも考えられます。基本的には、がん保険は定期的に見直すことを視野に入れて選択するのがおすすめです。しかしながら、がん保険は一度がんと診断された場合に、見直しが厳しいこともあります。体調や状況によっては、がん保険を見直したくてもそれが叶わないこともあり得ます。ですので、保障内容を将来的に使いやすい診断給付金タイプなどを中心にして、終身型に加入するのが手堅いがん保険の選び方と言えるでしょう。